リウマチなら絶対に知っておくべき!歯周病との恐ろしい関係
「関節の痛みと歯の健康に何の関係があるの?」
そう思われるかもしれません。
しかし実は、歯周病とリウマチには密接な関係があることが、近年の研究で明らかになってきました。
結論リウマチ患者は歯の治療と定期検診を行うべきです。
歯周病の改善が、リウマチの症状改善につながる可能性があります。
なぜ歯周病がリウマチに影響するのか
歯周病菌やその毒素は口の中だけでなく、全身に悪影響を及ぼし、リウマチの発症や進行に関わっている可能性が高いことがわかっています。
歯周病菌が全身に広がるメカニズム
歯周病菌の影響歯周病菌は歯茎の血管から体内に侵入し、血流に乗って全身を巡ります。
その結果:
- 全身で炎症反応が起こる
- 免疫システムが過剰に反応する
- 関節に炎症が起きやすくなる
リウマチと歯周病の共通点
炎症のメカニズムが同じ
両方の病気で、炎症を引き起こす物質(サイトカイン)が共通しています。
つまり、歯周病で増えた炎症物質が、関節の炎症も悪化させてしまうのです。
驚くべき研究結果
京都大学病院の研究(2015年)歯周病を持つ人は、そうでない人に比べ、関節リウマチと診断されるリスクが約2.7倍高くなるというデータがあります。
新潟大学の研究(2013年)歯周病治療を行うことで:
- リウマチに関連するタンパク質の濃度が下がった
- リウマチの症状が軽快した
という報告があります。
これらの研究結果は、歯周病の治療がリウマチの症状改善につながる可能性を示しています。
あなたは大丈夫?歯周病セルフチェック
以下の項目にいくつ当てはまりますか?
歯周病チェックリスト
- 朝起きた時に口がネバネバする
- 歯磨き時に出血する
- 口臭が気になる
- 歯肉が赤く腫れている(健康ならピンク色)
- 硬いものが噛みにくい
- 歯が長くなった気がする
- 前歯が出っ歯になったり、歯の間に隙間ができたりする
診断結果
| 該当数 | 状態 | 対応 |
|---|---|---|
| 0〜2個 | 問題なし | 定期検診を継続 |
| 3〜5個 | 油断禁物 | 早めに歯科受診を |
| 6個以上 | 進行している可能性 | すぐに歯科受診を |
リウマチ患者が歯周病になりやすい理由
悪循環に注意リウマチ患者は、以下の理由で歯周病になりやすく、また悪化しやすい状態にあります。
リウマチ患者特有のリスク
- 手や指の痛みで歯磨きが十分にできない
- 握力が弱く、歯ブラシをしっかり持てない
- 細かい動作が難しく、丁寧に磨けない
- 薬の副作用で唾液が減り、口の中が乾燥する
- 免疫が乱れているため、感染しやすい
この悪循環を断ち切るために、適切な対策が必要です。
リウマチ患者のための歯周病対策
対策1:電動歯ブラシの活用
電動歯ブラシのメリット
- 手や指への負担が少ない
- 握力が弱くても効果的に磨ける
- 細かい動作が不要
- 短時間で効率的に磨ける
電動歯ブラシの選び方
- 持ちやすい太めのグリップ
- 軽量タイプ(重いと手が疲れる)
- 強さ調節ができるもの
対策2:歯科医院での定期クリーニング
最も重要歯科医院での定期的なクリーニング(プロフェッショナルケア)を受けることが最も重要です。
プロフェッショナルケアでできること
- 自分では取れない歯石の除去
- 歯周ポケットの奥の清掃
- 歯周病の早期発見と治療
- 正しいブラッシング指導
対策3:受診時に伝えるべきこと
歯科医に必ず伝えること
- 関節リウマチであること
- 現在服用している薬(特にメトトレキサートなど免疫抑制剤)
- 手指の痛みや可動域の制限
- 口の乾燥などの症状
これらの情報を共有することで、適切な治療計画を立ててもらえます。
定期検診の頻度とタイミング
おすすめの受診頻度
| 状態 | 頻度 |
|---|---|
| 歯周病がない | 3〜6ヶ月に1回 |
| 軽度の歯周病 | 2〜3ヶ月に1回 |
| 中等度以上の歯周病 | 1〜2ヶ月に1回 |
自宅でできる日々のケア
毎日の基本ケア
朝:
- 起床後すぐに口をゆすぐ(夜間に増えた細菌を除去)
- 朝食後に電動歯ブラシで2分間ブラッシング
昼:
- 食後に口をゆすぐ、または軽くブラッシング
夜:
- 就寝前に念入りにブラッシング(3分間)
- デンタルフロスや歯間ブラシを使用
- 殺菌効果のあるマウスウォッシュ(歯科医に相談)
まとめ
リウマチと歯周病は、思っている以上に深く関係しています。
覚えておくべき重要ポイント
- 歯周病患者はリウマチ発症リスクが2.7倍
→ 予防が重要 - 歯周病治療でリウマチ症状が改善
→ 治療には大きな意味がある - リウマチ患者は歯周病になりやすい
→ より注意が必要 - 定期的なプロフェッショナルケアが鍵
→ 歯科検診を習慣化
今日からできること
- 歯周病セルフチェックをする
- 3個以上当てはまったら歯科予約をする
- 電動歯ブラシの購入を検討する
- 定期検診のスケジュールを立てる
関節の痛みを改善したいなら、まずは口の中から。
歯科検診は、リウマチ治療の一環として考えるべき重要なケアです。
「歯医者はまた今度…」と先延ばしにせず、今すぐ予約の電話をしてみませんか?
その一歩が、あなたのリウマチ症状の改善につながるかもしれません。
