日常生活での工夫が大切となる関節リウマチ。
座る、寝る、立ち上がるなど、毎日何気なくしている動作は基本的にすべて、関節を使っています。
そのためリウマチ発症後は、ひとつひとつの動作につらい痛みを伴うこともありますよね。
そこで、今回は関節を守る日常動作の方法について紹介していきます。
少し工夫することで、関節に負担がかかりづらくなるので、リウマチ患者さんはぜひ参考にしてみてください。
リウマチには和式よりも洋式スタイルが◎
はじめにお伝えしたいのが、リウマチ患者さんには和式スタイルよりも、洋式スタイルがおすすめということ。
和室での生活では、布団や座椅子、座布団などを使用する機会が多くなります。
そういった高さがない家具は、座る動作や立ち上がる動作で関節に大きな負担をかけることになるため、リウマチ患者さんにはおすすめできません。
負担を少しでも減らすため、洋式スタイルであるベッドや椅子を使用するようにしましょう。
関節に負担をかけない日常動作
関節への過度な負担は、炎症や変形を引き起こす可能性があります。
そのため、リウマチ患者さんは暮らしの中で、関節に負担をかけない動作を身に着けていくことが大切です。
ここでは、
- 起き上がり動作
- 立ち上がり動作
- 座る動作
- 寝る動作
の4つの動作について紹介していきます。
起き上がり動作
起き上がり動作には、3つの方法があります。
腹筋を使って起きる
- 寝ころんだ状態から、そのまま腹筋に力を入れて上半身を起こす。
- ベッドから足をゆっくりおろす。
両腕を使って起きる
- 両腕の前腕(ひじから手首)をベッドにつける。
- 前腕に力を入れて、上半身を起こす。
- ベッドから足をゆっくりおろす。
横向きから起きる
- 肩やひじなど上半身で、痛みの少ない方に体重をかけて横向きになる。
(左肩や左ひじが痛い場合は、右側に。右肩や右ひじが痛い場合は、左側に体重をかけましょう。) - 体重をかけない方の膝を曲げておく。
- 体重をかけた方の前腕と、曲げた脚の力を使って上半身を起こす。
立ち上がり動作
- 椅子やベッドに深く腰を掛けた状態のままでは、立ち上がるのが難しくなるため、少し浅く座るようにする。
- その状態から体を少し前に倒す。
- 手のひらの根本ではなく、真ん中あたりを椅子やベッドの角に当てて立ち上がる。
膝に痛みがある場合
膝に痛みのある方は、なかなかスムーズに立ち上がれないこともあるかと思います。
太もも内側の内転筋という筋肉が弱くなると、骨盤が不安定な状態になります。
これにより膝へ負担がかかってしまうのですが、脚を閉めると内転筋が強化され、膝の痛みが軽減されるという方が多いです。
脚を閉じる方法では、膝への負担が減らなかったという方は、逆に開いてみるのもおすすめの方法です。
多くの方は、どちらかで立ち上がりやすくなるため、ぜひ試してみてください。
座る動作
座る動作というのは、椅子やベッドの高さが低ければ低いほど痛みが起こりやすいです。
関節にいい椅子やベッドは、座ったときにひざの角度が90度くらいになるものとされていますが、それでも痛ければ、さらに高くして膝の曲がり具合を減らしてみるとよいでしょう。
また、手を使わずに座ると膝の痛みで勢いがついてしまい、腰や股関節に圧がかかるため要注意。
立つときと同様に、椅子やベッドの角に手のひらの真ん中あたりを当てて、座るようにしましょう。
寝る動作
寝る動作も毎日必要なので、できるかぎり関節の負担を減らしていきたいところです。
動作ひとつひとつに工夫をしながら、寝る体勢にゆっくり動かしていきましょう。
- 手のひらをベッドの角にあてて、ゆっくり腰を掛ける。
- 上半身の向きを正面から横に変えて、足をベッドにあげる。
- 痛みの少ない方の前腕をベッドにつけて、少し体を斜めにして倒していく。
- そのままゆっくり仰向けになる。
ひとつひとつの動作を工夫して、関節の負担を減らそう
毎日何気なくしている動作には、関節がかかわっているため、リウマチ患者さんは患部に負担をかけないように工夫することが大切です。
和式スタイルで生活をされている場合は、ベッドや椅子などの洋式スタイルに環境を整えると、立ち上がり動作・座る動作などが楽になります。
リウマチの炎症や関節の変形を防ぐためにも、ぜひ今回ご紹介した日常動作の方法を取り入れてみてください。