薬物療法は、リウマチの症状を抑えるために有効な治療方法のひとつです。
現在リウマチに使用される治療薬としては、関節の炎症を抑える効果が高い「メトトレキサート」が中心に位置づけられています。
リウマチの薬は、基本的に内服しているときも通常の生活を送れますが、中には副作用を感じる方がいらっしゃるのも事実です。
そこで今回は、メトトレキサートを含むリウマチ薬の副作用と水分補給の関係について解説していきます。
リウマチ薬の副作用は水分不足も関係している?
メトトレキサートなどのリウマチ薬は、関節の痛みを抑えてくれる効果がありますが、服用することによって副作用が出てくることもあります。
たとえば、口内炎や腹痛、全身のだるさなど…。
ここでは、リウマチ薬の副作用と水分不足の関係性についてお伝えしていきます。
水分不足がリウマチの痛みや薬の副作用を引き起こすことも
普段から水分補給が足りていない方は、メトトレキサートを含むリウマチ薬の副作用が出やすいため注意が必要です。
体内の水分が減っていると血液の量も不足してしまい、薬を排出している肝臓や腎臓の働きも低下します。
そうなると薬がしっかり排出されず、体内で薬の濃度が高くなり、副作用が出やすい状態に…。
また、体の水分が少なくなると筋肉が硬くなったり、血流が悪くなったりすることで、関節のこわばりや痛みにもつながってしまいます。
このようにリウマチの痛みや薬の副作用は、脱水状態が関係していることもあるため、毎日こまめに水分を補給しなければなりません。
水分補給のポイント
リウマチ薬の副作用は、正しい水分補給によって抑えられることもあります。
では、どのような水分補給が推奨されているのでしょうか?
大切なポイントをお伝えしていきます。
一日に必要な水は2.5l
厚生労働省によると、成人の体には一日2.5lの水が必要だと言われています。
ただし、飲み水として毎日2.5l飲まなければならない、というわけではありません。
人間は食事から1.0l、体内で作られる水から0.3lの水分を補給しています。
1.2lであれば、無理なく飲める範囲内ではないでしょうか?
こまめな水分補給で、合計2.5lを目指してみてくださいね。
一度に摂取するのは200~250ml
人間の体は、一度に水分を吸収できる量が決まっています。
200~250mlほどしか体内に蓄えられないため、それ以上補給しても尿として排出されるだけになってしまうのです。
そのため、一度で大量の水を飲むのではなく、回数をわけてこまめに水分を補給することが大切。
頻度としては、1日6~8回を目安にするとよいでしょう。
水分補給のメインはノンカフェイン・ノンシュガーで
コーヒーやジュースがお好きな方は多いかと思いますが、カフェイン・糖分が入っているものを水分補給のメインにするのはおすすめできません。
コーヒーでも水分摂取にはなるのですが、カフェインに利尿作用があるため、飲んだ分もしくはそれ以上の水分が体から排出されてしまいます。
また、ジュースで体に必要な水分を補給していては、糖分の過剰摂取となる可能性が高いです。
そのため、カフェインや糖分を含むコーヒー・ジュースは、たまに飲むものにしていただいて、メインの水分摂取としてはお水を選ぶようにしましょう。
水分不足は尿の色で判断
「こまめに水分をとるようにしているけど、足りているのかわからない」という方もいらっしゃるかと思います。
そういったときには、尿の色で判断してみましょう。
(引用:厚生労働省)
厚生労働省では、尿の色が薄い黄色であれば問題なし、濃いようであれば水分不足としています。
色で脱水症状かどうかを確認し、足りていないようであれば水分量を増やしてみてください。
下痢のときもしっかり水分補給を
下痢のときは大量の水分を失うため、脱水症状を起こしやすい状態です。
汗をかいたときは、水分がなくなっているのが目に見えてわかりやすいため、水分補給を心がけている方も多いかと思いますが、下痢のときも同じようにしっかり補給する必要があります。
こまめにお水を飲んで、脱水状態にならないように気をつけましょう。
副作用によっては主治医への相談も必要
水分不足を解消しても、薬による副作用が改善されないこともあります。
副作用によって、薬を飲み続けてよいものもあれば、放置していると悪化してしまうものもあるため注意が必要です。
気になる症状があるときは、そのままにせず主治医に相談しましょう。
正しい水分補給で薬の副作用を予防
水分不足は、メトトレキサートなどのリウマチ薬による副作用を引き起こすこともあります。
また、筋肉が硬くなったり、血流が悪くなったりすることで、関節の痛みがひどくなる危険性もあるので、こまめにお水を飲むようにしましょう。
水分が足りているかどうかは、尿の色で判断もできるので、ぜひチェックしてみてくださいね。